全国不動産物件ブログ

住居状態の悪さと経済状態の悪さが結合した老人生活

2011.11.18

川崎市の一人暮らしの老人一三五一人についての調査によると、木造民間アパートないしは借間暮らしで、生活保護をうけるか、月収三万円以下という、住居状態の悪さと経済状態の悪さが結合した老人生活類型の割合が高い、と報告されている。東京都社会福祉協議会の話によると、「一人暮らしの老人の中には、いまだに戦争中の防空壕を改良したものや、バラック住宅にさえ住む老人がいる」という。東京都民生局の推計によると、東京には六〇歳以上の老人は都民全体に対して七・五%、島部を除いて八三万四〇〇〇人、そのうち被保護高齢者約二万五〇〇〇人、老人ホーム、医療施設等の入居者八〇〇〇人がいる。

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これらのうち一人暮らしの老人は一万六〇〇〇人である。これらの老人は、二五%が借家・借間住まいで、収入が低くなるほど、借家率は高くなる。生活保護高齢者の八一%を占める第一・四分位階層では三四%が借家で、一人暮らしの老人は五七%が借家である。借間・借家住まいだから悪いというのではない。問題は、これら借家住まいの老人が、いずれは借家を出なければならぬが、その後の見とおしのついていない老人が四三%もいることである。死ぬ間ぎわまで、どこに住もうか、と不安定な生活を送ることは、老人にとって大きな不幸ではあるまいか。現在、大きな社会問題となっている老人問題も狭小住宅と無関係ではない。小さな家では老人のいる場所はないのである。東京女子大教授は、「古い家族制度の崩壊が老親への扶養義務意識を失わせ、核家族化の風潮が一人暮らし老人を生み出していると一般にいわれているが、問題は意識風潮の次元にあるのではない」とし、その理由として次の点をあげている。第一に、労働者に支払われる賃金は、本人ならびに妻と子二、三人の労働力再生産費であって、退職した親の生活費は含まれていない。ここに夫婦と未婚の子から成る核家族が一般化した理由がある。第二に、これと関連して、今日の労働者に対し、老親の扶養が可能になるような扶養手当・住宅・医療費負担等の配慮はないに等しい状態である。労働者家族の増大に即応した社会保障制度がともなわないかぎり、今後ますます中高年単身者は増加する一方である。