発電所の建築の各部分に作用する地震力も、トータルモデルの一部として自然に求められるが、こういった力に対して、それぞれの部分を設計するに当って、原子力発電所では安全上の重要度に応じて、それぞれの耐震性に差をもたせているのも特徴である。放射性物質を多量に内蔵していて、もしそこが駄目になったら放射性物質を外部にもらしてしまう恐れがある、そういった部分は最も重要なのでAクラス。内蔵している放射性物質が少量で、外部への影響が小さいものはBクラスとし、放射性物質とは全く関係がなく、普通の工場なみにあつかえる部分はCクラスに分類している。
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考えてみれば、構造物の部分が、全部が全部等しい耐震性をもつ必要はなくて、それぞれの役割つまり機能別に、重点的な設計ができるのであるから、この方法は合理的である。このことを一般の建築の場合に当てはめて翻訳してみると、さしずめ柱破壊型を避け、建築を絶対に崩壊させないといった機能からいえば、柱がAクラスで、はりや壁はBクラス、単に間仕切りのための壁や窓周りなどはCクラスといったことになるだろうか。このことについてもう少し考えを押し進めると、単に建築の各部分についてだけでなく、建築そのものの耐震性にも、その用途・震災時に必要とされる機能別に、たとえば大地震の時こそもっとも活躍してもらわなければならない行政官庁、放送局、病院、消防署などはAクラス。無人の倉庫などはCクラスといったように差をつけるのが合理的でもあり必要なのではないかということに気が付く。新耐震設計法もこのことについては触れていない。しかし私はかつてサンフェルナンド地震のとき、救急車の車庫がつぶれ、もっとも救急車の必要なときに、ついに一台も出動できなかった状景を目のあたりに見て、このことの必要性を痛感した。
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